SDGsって何?

世界を変えていくための17の目標

GOAL 1あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

ゴール1の目標の一つは、2030年までに「極度の貧困」を世界のあらゆる場所で終わらせること。極度の貧困とは、世界銀行が定めた「貧困ライン」=1日約1.9ドル(約211円、2019年3月11日現在)=未満の暮らしを差し、2015年現在、世界の10人に1人が極度の貧困下にあります。
ほかにも、生きていくために必要な食べ物や水が手に入らない、住む所や仕事がない、教育や医療などの必要なサービスを受けられないーなど、お金に換算できないさまざまな形の貧困を終わらせることを目指します。
社会的に弱い立場の人々をはじめ、誰一人も残さず、貧困から抜け出すために、私たちに今どんなことができるでしょうか。

GOAL 2飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を
達成するとともに、持続可能な農業を推進する

「いただきます」と手を合わせるとき、みなさんは何を思いますか?私たちが暮らす日本は、食料自給率は約40%と先進国の中でも最低水準で、食べ物の多くを海外からの輸入に頼っています。一方で、まだ食べられる食品を年間約650万トンも捨てています。それは世界の1年間の食料支援である320万トンの2倍以上に当たります。
毎日の食事で元気をチャージするのは、人類共通です。しかし、地球全体でみれば十分な量の食料が生産されていても、それが公平に行き渡らない社会に私たちは生きています。ゴール2が目指すのは、飢餓がなく、すべての人々が一年中食べ物の心配をしなくてよい社会です。身近な食事の問題を通して、SDGs達成のために私たちにできることがないか考えてみましょう。

GOAL 3あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

ゴール3では、あらゆる年齢の人々が、健康的に、安心して、いきいきと生活を送れるようにすることを目指しています。世界には、予防できる病気で命を落としてしまう子どもたちや、貧しさ故に、薬が買えなかったり、安心できる医療サービスを受けられなかったりする人たちがいます。また、日本と同様に、交通事故や不健康な食生活による生活習慣病、精神的なストレスが原因の病気—などを抱えていたりする人たちも多くいます。何歳になっても、健康でいられるために、私たちはどんなことができるでしょう。

GOAL 4すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、
生涯学習の機会を推進する

ゴール4では、誰もが一生学び続けられるようにすることを目指しています。すべての子どもが、基本的な能力を身につけるために質の高い教育を受けられるようにする、男女の差なく学べるようにする、働きがいのある仕事に就いたり、より高い技能を身につけられるようにする--。人、家庭、国などの状況よっても、ゴール4達成に向けた狙いはいろいろ考えらます。
未来のより良い社会を築くために、「教育」は、すべてのSDGs達成のための「土台」と言えるでしょう。質の高い教育のために、国・地域を超えたグローバルな「学び合い」や、協力し合う関係づくりが重要視されています。

GOAL 5ジェンダーの平等を達成し、
すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

世界には「女性だから」という理由で教育や就職の機会が限られることがまだまだあるのが現状です。性別には、体のつくりでいう「男女」があります。一方「男らしい」「女らしい」というように、社会や生活の中でつくられた役割としての「男女」もあります。こちらをジェンダーと言います。
ゴール5が目指すのは、ジェンダーの平等です。すべての女性や女の子も、男性と同じように機会が与えられ、能力を発揮できる社会です。育児・介護・家事など、家庭での仕事を改めて評価することも大切です。私たちは一人一人の中にある「当たり前」を見直すことがジェンダー平等のはじめの一歩になります。

GOAL 6すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

私たちの体の70%を占める水は命の源です。飲み水からトイレまで、生活になくてはならないものです。しかし、世界では、10人に3人が安全な水を自宅で得られず、農村部に住む人の半分以上は清潔なトイレを使えていません。
こうした現状を背景に、北アフリカや西アジア地域を中心に、5歳未満の子どもが毎日1000人以上も、下痢で命を落としています。下痢は手を洗うせっけんや安全な水があれば防げる病気です。
ゴール6は、安全に管理された飲み水とトイレを、世界中の人が使えることを目指します。
蛇口から簡単に飲めて、使える水から、世界を取り巻く問題を考えてみましょう。私たちには何ができるでしょうか。

GOAL 7すべての人に手ごろで信頼でき、
持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

人類は、石炭や石油などの化石燃料を大量に使って発電してきました。その結果、二酸化炭素などの温室効果ガスの量が増え、地球温暖化が起きています。
私たちの生活には電気が不可欠です。夜に本を読んだり、冷房・暖房を使い快適に過ごせたりするのも、電気のおかげです。一方、世界の約7人に1人(2016年、国際エネルギー機関)は電気のない生活を送っており、その多くはフィジーのような島国やアフリカの国々に住んでいます。
地球温暖化を抑え、電気をすべての人に届けるには、どんな方法があるでしょう?ゴール7は再生可能エネルギーなどの研究と開発、そして広く使えるようにすることが目標です。省エネなど、私たち一人一人ができることも多くあります。

GOAL 8すべての人のための持続可能的、包摂的かつ持続可能な経済成長、
生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

SDGsは10年後の未来、2030年向けた取り組みです。その頃みんなや世界の同世代の友達は「安全で十分な収入を安定して得られる」「性別や出身地、肌の色、生涯があることなどで差別されない」「自分の能力にあっている」--そんな仕事につけているでしょうか。
ゴール8が目指すのは、働く人たちの誰もが「働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)」に就くことができ、世界の国々が安定して経済成長でき社会です。
いまだに世界には児童労働や、児童兵士の問題があります。日本では、長時間労働で心や体を壊してしまう過労死のニュースが大きく取り上げられています。ゴール8は働くことの問題解決に向けた取り組みです。

GOAL 9強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な
産業を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

私たちの生活は、さまざまなものによって支えられています。鉄道やバスなどの交通、学校や病院などの公益施設、電力などのエネルギーや安全な水を供給する施設、インターネットなどの情報通信--こうした経済活動に必要なものをインフラ(インフラストラクチャー)といいます。
多くの発展途上国はインフラが未整備なために経済的な自立が困難な上、社会サービスを受けられず、貧困層の増加や社会不安の高まりにつながっています。ゴール9では、国の成長を支える質の高いインフラを整え、すべての人が快適で安全な生活を送れるよう目指しています。

GOAL 10国内および国家間の格差を是正する

私たちの住む社会には、残念ながら不平等が存在します。例えば、日本と途上国とでは、得られるお金や生活環境に大きな差があります。
また、年齢、性別、人種、生まれた場所、宗教、障害などを理由に、弱い立場に立たされてしまう人もいます。こうした不平等をなくし、すべての人が自分たちの能力を生かすことができる社会を目指すのがSDGsです。
ゴール10は、不平等な法律の改正をはじめ、弱い立場の人を守れる社会の仕組みづくりを掲げています。クラスでは、みんなイヤな思いをせずに過ごせているかな。そんなふうに考えてみるところから、私たちも始められるといいですね。

GOAL 11都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

住む人たちすべてが、安全で快適に済み続けられるまちづくりを目指すのがゴール11です。
例えば、高齢者や障害者も使いやすい、バスや電車などの交通機関をつくること、災害による被害や不安を減らし、地域の人たちが話し合いながら、安全なまちづくりをすること、大気汚染やごみの問題に悩まされることなく、きれいな環境のまちをつくること--など。
自分たちのまちが、住む人みんなにとってより良くなるために、私たちはどんなことができるでしょう。

GOAL 12持続可能な消費と生産パターンを確保する

私たちのまわりの生活用品の多くは、貴重な天然資源によって作られています。こうした水、石油、エネルギー燃料、鉱物、森林など、地球上の天然資源には限りがあります。ゴール12では、環境との共存を図りながら、ものを作り、使い、再利用するなど、私たち一人一人が資源をむだにしないように、責任を持つこと期待されています。
まだ食べられるもの、使えるものを簡単に捨ててしまったりしていませんか?日々の生活の中で、私たちができること、持続可能なライフスタイルはどのようなものか、一緒に考えてみましょう。

GOAL 13気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

日本では今、これまでになかったような気象現象が各地で起きています。夏は猛暑日やゲリラ豪雨が増え、想定外の災害が多発しています。これは日本だけの話ではなく、地球全体で起こっていて、気候変動といいます。雨の多い地域では、さらに降水量が増え、乾燥している地域では干ばつや砂漠の拡大といった異常気象が世界中で発生しています。また、地球温暖化によって海水面が高くなり、海のそばで暮らす人は内陸に移動しなくてはならず、太平洋の島国ツバルは、国が丸ごと海に沈む危機に直面しています。このような温暖化の原因は、私たち「人間」にもあります。ゴール13では、国の政策に気候変動対策を具体的に盛り込むことや、特に被害を受けやすい社会的弱者を守るための制度づくりを呼びかけています。

GOAL 14海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、
持続可能な形で利用する

地球の70%を覆う海には、たった1個の細胞しかない生物から巨大なクジラまで、確認できているだけで約25万種がいます。
人間にとって海は、例えば、おいしい魚や塩などの産地であり、海水浴を楽しむ場であり、海との関わりは幅広く、欠かすことのできない存在です。
しかし、近年は人間が魚などの海洋資源を取りすぎたり、ごみを捨てて海を汚してしまったり、さらに地球温暖化の影響で、海洋資源は深刻な危機に陥っています。
ゴール14は、海の豊かさを守るために、国を超えたルールづくりなど、具体的な取り組みをするよう呼びかけています。

GOAL 15陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、
森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、
ならびに生物多様性損失の阻止を図る

ゴール15では、陸上でさまざまな種類の生き物が暮らしていけるように、森を守り、砂漠化を防ぐことなどを目指しています。生き物は互いに関わり合いながらバランスを保って営みを続けています。違法に木を切り倒すことや野生生物の密漁などは、生き物がつくっているバランスを崩すので、避けなければなりません。
例えば、森林には、たくさんの働きがあります。地球の温暖化の原因となっている二酸化炭素を吸収し、酸素を出し、急激な気温の変化を和らげてくれます。私たちに多くの恵みをもたらす森林を守るためにどんなことができるでしょう。

GOAL 16持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、
すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、
あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

トラブルを解決する方法を考えてみましょう。例えば、意見を通すために暴力を振るい、ひどい言葉を浴びせ相手をねじ伏せる。ケンカやいじめ、犯罪、戦争やテロなど、家庭、学校、社会、国家で暴力的な出来事があります。暴力は心と体を傷つけ、時には命も奪います。暴力に頼らない解決法はないでしょか。例えば「きちんとしたルールをつくる」。みんなが意味を理解し、守る。みんなが参加して話し合うことで、ルールは力を発揮します。ゴール16は、すべての人が司法(法律に基づいた裁判や手続き)を利用できき、すべての人が平等に守られる、平和で公正な社会を目指します。

GOAL 17持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、
グローバル・パートナーシップを活性化する

SDGsのゴール1から16までの目標は貧困は差別、自然環境、エネルギーなど、今、世界が抱えている問題を幅広く取り上げています。ゴール17は、こうした問題を解決するために「協力し合うこと」、個人や国、「役所」「社会」「市民団体」といった別々の組織など、違う魅力を持つもの同士、力を合わせることが目標です。一人一人が得意なことが違うように、国も役所も社会も市民団体も、力を発揮する部分はそれぞれ違います。そのおかげで、人や組織が一緒になって問題に取り組んだとき、見落とされる課題が少なくなり、知らなかったことを互いに情報交換でき、より良いやり方を広めることにもつながります。一人一人が行動を起こすことで、目標達成につなげていきましょう。

どんな職業なの

持続可能な社会に貢献する13の職業

薬剤師

医薬品全般について、
幅広い知識を持つ「薬」の専門家。

薬剤師の修業年限は医師と同じ6年で、薬剤師国家試験に合格して与えられる資格。チーム医療を担う病院薬剤師や保険薬局の薬剤師をはじめ、製薬・食品・化粧品メーカーやバイオ企業の研究・開発職、治験コーディネーター、さらに麻薬取締官や保健所など行政にも活躍の場があります。食品衛生管理者など付与される資格も多くあります。

歯科医師

口腔内の治療に特化した医師で、
その医療技術は日々進化しています。

歯科医師は国家資格で、虫歯・歯周病の治療や、歯列の矯正、インプラント手術など、口腔内における健康の管理を行います。歯科医業をおこなえるのは歯科医師のみと定められており、一般的な内科医や外科医等と違う医療職種といえます。近年では歯をより美しく見せたいという需要も増すなど、歯科治療を取り巻く環境は変わりつつあります。

看護師

           

一人ひとりの生き方を尊重し
健康的な暮らしを支える専門職。

           

さまざまな場で暮らす人々を多面的にケアし、本人が望む健康的な生活を支える仕事です。病院や診療所のほか、訪問看護ステーションや社会福祉施設、起業まで活躍の場は多彩。卒業後や社会経験を積んだ後に大学院などへ進み、専門看護師、認定看護師の分野などでスキルアップする道もあります。

社会福祉士

高齢者や障害を持つ方々が
快適な生活を送れるようにアシスト。

社会福祉士とは、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づき、福祉や医療に関する相談援助に必要な専門知識があることを証明する国家資格で、厚生労働大臣より社会福祉士登録証が交付されます。身体及び精神に障害のある方、生活困窮者、ひとり親の家庭など、心身や環上の理由によって日常生活を送るのに支障がある方々の相談援助を行います。

精神保健福祉士

心に病を持つ方々の
社会生活を手助けします。

「精神保健福祉士」は、精神保健福祉の領域で専門的な知識や技術を持ち、精神に障がいがある人たちの社会復帰を手助けしたり、必要な訓練を行う精神科ソーシャルワーカーです。社会福祉士、介護福祉士とともに福祉系の国家資格として知られています。精神の障がいへの理解、患者を忍耐強く導く根気強さ、冷静さなどが求められます。

介護福祉士

介護資格の中で、
唯一国家資格が必要。

介護資格の中で唯一の国家資格である介護福祉士は、介護施設利用者の身体上・精神上のケア、現場の介護スタッフに対する教育・指導などの役割を担います。高度な専門知識と技術を有していることが前提のため、現場ではリーダーとしての役割を求められます。事業所側の期待も高く、就職・転職時に有効に働く資格であるといえます。

公認心理師

心理職においては、
国内初となる国家資格。

2017年に認心理師法が施行され誕生した公認心理師。国家資格化によって専門家としての知識や技能をより広い領域で活かし、心理職の質の向上や雇用の安定を目指すことが大きな狙いです。公認心理師は、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識および技術をもって、助言や指導、援助、分析などを行います。

認定心理士

人とかかわりる仕事に活かせる、
心理学の基礎資格。

認定心理士は、公益社団法人日本心理学会が認定する心理学の基礎資格。大学で「心理学」など直接的な名称が使われていない学部・学科を卒業した場合でも、心理学の基礎学力と技能を習得していることの証明ができます。福祉や教育、医療などの分野のような、人とかかわりを持つ仕事や活動で知識や技能を活かすことのできる資格です。

理学療法士

運動機能の回復を目指す、
医学的な専門職です。

ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、座る、立つ、歩くなどの基本動作能力の回復や維持、障害の悪化の予防を目的に、さまざまなリハビリを行う国家資格。実際に体を動かし関節や筋肉の回復を目指す運動療法や温熱、電気刺激などの物理療法を用いて、自立した日常生活が送れるよう支援します。

作業療法士

日常生活の諸作業を
支援するスペシャリスト。

作業療法士は国家資格。「作業」とは、食べたり入浴したり、家事や仕事、趣味活動など人が関わるすべての諸活動のことを指します。病気やけが、心の病、認知症など、様々な要因でその人らしい「作業」が行えなくなったとき、「作業」に焦点を当てて治療を行います。精神分野のリハビリに関わる事もあり、精神科なども活躍の場となります。

音楽療法士

音楽を通して、
高齢者や障害者の心身をサポート。

音楽療法とは、歌を歌ったり楽器を演奏したり、音楽に合わせて体を動かすなどのプログラムを実施することで、心身を整えるリハビリテーション法の一種。聴覚・視覚・触覚などを刺激することで、気持ちを穏やかにしたり、認知・運動機能の維持・改善に働きかけたり、他人とのコミュニケーションを誘発したりするなどの効果があります。

言語聴覚士

聴覚に障害を持つ方の
リハビリテーションを支援。

言語聴覚士は国家資格。音が聞こえないなどの聴覚障害。言語にまつわる障害である失語症。正しく発音・発語できない構音障害。このような言葉によるコミュニケーションが困難となってしまった人たちの状況を改善・軽減するためのリハビリ専門職です。また、言語以外の認知機能のリハビリや、飲み込みなどのリハビリも行います。

臨床検査技師

チーム医療を支える、
検査のスペシャリスト。

臨床検査技師は国家資格で、医師の指示のもとで検査業務を行う検査のスペシャリスト。臨床検査には、血液、髄液、組織など生体の一部や排泄物を検査する「検体検査」と、心電図や超音波(エコー)検査など患者に対して直接行う「生理検査」があります。臨床検査技師は、高度先進医療を担うチームの一員としての役割も期待されています。