薬学科
薬剤師業務の根幹は医薬品適正使用に係る正確な調剤であるが、医薬品を供給する役割のみならず、その使用を包括的に管理し薬物療法に係る安全性と有効性を評価する専門職へと変わりつつある。薬物療法の質の向上および患者安全の確保を目的として、医師や看護師等の医療職と協働する多職種連携への積極的な関与および客観的なエビデンスの蓄積が望まれています。患者さんにより良い医療を提供し、チーム医療に貢献する薬剤師になるための6年制薬学教育についてお話しいたします。
教授
平野 剛ひらの たけし
千年以上の歴史をもつ伝統医薬「漢方薬」は重要な医療手段として利用されています。漢方薬で用いるお薬を「生薬(しょうやく)」と呼び、生薬の多くは100種類以上の薬用植物から得られます。薬用植物には様々な化学成分が含まれ、人々の健康に役立っています。伝統医薬をもとに、新しいバイオテクノロジーを利用したお薬についてお話しします。
准教授
高上馬 希重こうじょうま まれしげ
「ビタミンを摂りましょう」と耳にすることがありますが、ビタミンは、いろいろな機能を持っています。薬学部では、化学的な観点、物理的な性質、生体内での役割、病気の治療での使用など、いろんな科目で勉強します。この講義の中で、ビタミンってなんだろう?という疑問を、薬学部ではどの様に解決していくかについて紹介したいと思います。
小林 大祐こばやし だいすけ
近年、使用されたプラスチック廃棄物(プラごみ)が海洋汚染を引き起こし、マイクロプラスチックに破砕された後は、魚介類を介してヒトに摂取されることが問題となっています。海洋プラスチックには様々な化学物質が添加または吸着されており、薬学の視点で考えると、プラごみ問題はこれらの化学物質による生物汚染の問題と捉えることができます。薬学とは本来、薬の専門家を育てる学問ですが、広義には薬を含む化学物質の専門家を養成する学問でもあります。本授業では、我々人類が便利と引き換えに発生させたプラごみ問題を薬学の視点から分かりやすく解説し、その対策についても議論します。
小島 弘幸こじま ひろゆき
みなさんはCMなどで「眠くなりにくいお薬」などのフレーズを聞いたことがありますか?薬を誤った用法・用量で服用すると身体に悪影響が出るのは当然ですが、正しい使い方をしてもなお「眠くなる」などの悪影響が生じる場合があります。薬が身体に及ぼす不利益な作用を「副作用(または有害作用)」といい、薬が身体に及ぼす有益な作用を「薬理作用」といいます。薬学生は将来、薬剤師としてこの違いを患者さんに正しく理解してもらうため、大学で「薬理学」を学びます。この講義では具体的に薬理作用と副作用とは何か、薬物治療を行う上での薬理学の重要性について、大学での「薬理学」講義を交えわかりやすくお話します。
町田 拓自まちだ たくじ
薬で病気の症状を抑えることだけを考えた治療は、患者さんにとって必ずしも幸せなのでしょうか。薬学部では薬理学という学問を必ず勉強します。薬理学では、病気の原因や、どこに薬が作用するのか、健康な体に薬が与える影響について学びます。薬のベネフィットとリスクを考え、患者さんの生活の質を高めるために行われる2種類以上の薬を組み合わせた治療について、薬理学の面から免疫系の病気を例にお話します。
講師
水野 夏実みずの なつみ
人間は長い年月と多額の費用をかけて様々な化学構造をもつ薬品を発見・合成してきました。しかし、薬品はそのまま飲むとすごく苦かったり、分解してしまったりします。そこで私達が飲んだ時に医薬品が有効に働くように、錠剤やカプセルのような形にします。そこにはどんな工夫がされているか想像できますか?きっと皆さんが予想もしていなかったドラマチックな工夫がなされているのです。 講義では、Drug Delivery Systemと呼ばれる工夫された医薬品について、効果や副作用、身体の中での動きを併せてお話します。
小田 雅子おだ まさこ
ヒトの機能を維持するために、生理活性物質やホルモンは重要な役割をはたしています。体内に存在する物質の変化が、神経疾患と関連している可能性を見つけました。この物質は、健康なヒトでも年齢とともに生体内の濃度が変化します。もしかすると、その変化の違いが病気の始まりと関係があるかもしれません。このことが関連づけられると、早期からの治療が始められます。さらに、有効な薬を用いることもできます。新しい発見に至るまでのエピソードや病気との関係について、わかりやすくお伝えいたします。
浜上 尚也はまうえ なおや
集合時間
1年生(4年生)
2年生(5年生)
3年生(6年生)
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合計