理学療法士[国家資格]
障がいがある人、障がいの発生が予測される人の健康支援を行う専門職。運動療法や動作方法の指導などを通して、生活上の基本動作能力の回復、維持をサポートします。
作業療法士[国家資格]
対象となる方の心身の回復と、自立生活への支援をさまざまな作業活動を通してサポート。身体機能だけでなく、心理的、社会的な支援にも携わる専門職です。
音楽療法士[2種][認定資格]
音楽の力を活用して子どもの発達促進、高齢者の認知症予防、動作や発語が困難な患者さんのリハビリテーションなどを行う専門職です。
言語聴覚士[国家資格]
ことばによるコミュニケーション機能に問題がある方、摂食嚥下障がい(飲み込み困難)の方の障がいの程度を検査・評価し、訓練計画を立てて機能の維持・向上にあたります。
リハビリテーションのコアとして活躍する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士。この3職種を育成する全国的にも数少ない本学部。チーム医療、ケアとしてのリハビリテーションを学ぶ環境で過ごすことで、多職種と協力しながら専門性を発揮する人材を育成しています。
理学療法学科
作業療法学科
言語聴覚療法学科
理学療法学科
基礎医学の知識のほか、保健・医療・福祉全般に関する視野を身につけます。早い時期の現場体験で学びの意欲も高まります。
【解剖学I・II】
人体の構造について学び、リハビリテーションにかかわる症状を解剖学的に考察するために必要な知識と考え方を身につけます。
【臨床実習I】
理学療法士の業務や関連職種との連携、各施設の社会的役割などを把握。職域の広がりや地域社会における役割について学びます。
筋力や関節可動域など身体機能の検査・測定方法を学ぶ科目もスタート。地域住民の方々が模擬患者として協力する医療面接演習もあります。
【理学療法基礎評価学Ⅰ・Ⅱ】
理学療法の検査・測定技術である関節可動域測定法、筋力測定法、痛みの評価、運動麻痺検査などについて講義・演習を通して習得します。
【運動学実習】
さまざまな身体運動・動作の観察と計測を、少人数グループに分かれて実施。分析結果をグループ内で討議してレポートにまとめます。
【医療コミュニケーション】
患者さんにとっての良い治療には、医療者との間の良好なコミュニケーションが欠かせません。理論と実践方法を中心に学習し、コミュニケーションスキルを身につけます。
理学療法計画の立案などを実践的に学びます。他学部とのグループワークや、7週間にわたる臨床実習もはじまります。
【地域理学療法学演習】
訪問リハビリテーションなどのニーズが高まるなか、地域理学療法の現状や課題について総合的に学びます。
【多職種連携論】
看護福祉学部とリハビリテーション科学部の合同科目。グループワークを通して、さまざまな職種に対する理解を深めます。
【臨床実習(OSCE)】
医療機関のリハビリテーション部門で、臨床実習指導者のもと、担当患者の理学療法評価を行い、理学療法プログラムの立案、その実施方法やリスク管理について学びます。臨床実習前には、臨床技能や態度を評価するOSCE(オスキー:客観的臨床能力試験)形式の演習など、学内での指導も徹底しています。
総合病院で理学療法士の一連の業務を体験。また、高齢者施設など医療機関以外での役割も学びます。
【理学療法研究セミナーⅠ・Ⅱ】
少人数制の指導体制のもと、理学療法の各分野について多彩なアプローチで学ぶゼミナール。国家試験対策や就職指導も行われています。
【理学療法特講Ⅲ(スポーツ障害)】
スポーツ外傷・障害の発生メカニズムや病態への理学療法の実際を学びます。スポーツ現場でのメディカルサポートも習得します。
作業療法学科
作業療法士の現場を体験することで、職業イメージを広げます。人体の基礎構造や機能を学ぶなど基礎医学と幅広い視野を育てます。
【コミュニケーション実践論】
臨床実習に向けて、医療人、社会人として必要な基本的態度を学びます。また、コミュニケーション・スキルを、グループ学習を通して身につけます。
【生理学実習】
血圧測定、心電図、脳波測定など、さまざまな生理機能を実際に計測することで、生理学などの講義で学んだ知識を定着させます。得られた結果への科学的な考察やレポートの書き方も学びます。
【臨床見学】
病院や福祉施設などで作業療法士の現場を見学。事前・事後指導を徹底するなど、明確な目標を持って学外実習に臨めます。
病気や障がいの特徴など専門的な知識を学びます。地域住民や当事者に協力いただき模擬面接を行うことで、必要な医療コミュニケーションを身につけます。
【解剖学実習】
人体の構造についての知識を、実際の臓器に触れることで定着させます。「人の死」を見つめることで生命の尊厳と医の倫理についても学びます。
【障がい者当事者論】
当事者を招いての講義を通して、社会的支援を必要とする当事者や家族について、その生活の実態を把握。また、社会制度の活用方法や差別・偏見を克服するための活動を学びます。
【作業適用学演習】
作業療法の中核的概念である「人の作業」について、講義や演習を通して深い理解を得ます。また、作業療法の歴史的変遷から理念や理論化を学びます。
作業療法を行ううえでの計画立案と実際のアプローチを学びます。多職種連携や、長期の臨床実習も体験します。
【発達障害作業療法学演習】
子どもの発達段階や発達課題に関する知識を深め、玩具や遊具を使った子どものための支援を体験します。
【日常生活援助学II】
日常生活活動、生活関連活動の分析を通して、活動の特性や人間の諸機能との関連を学びます。さらに、作業療法の支援方法と技術、住環境整備や福祉機器について学びます。
【評価実習】
病院や施設等で、専門科目で学んだ知識をもとに、情報収集や検査・測定、評価計画立案、治療計画立案などを実践的に学びます。
リハビリテーションを専門的に行う医療機関での学外実習を実施。チームとなって、多職種連携の現場を体験します。
【総合臨床実習I・II】
専門職としての資質向上をめざし、知識や技術を深化する実習。対象者の「その人らしい生活」を支援するための作業療法を実際の臨床現場で実践。総合病院や身体障害、発達障害、精神障害などの専門病院で実施します。
【作業療法研究セミナーII】
研究論文の作成を行います。トピックを見つけることから始め、研究疑問の洗練や研究背景の展開、文献レビュー、研究法の選択までゼミ内でのディスカッションを重ねながら進めます。
音楽療法士コース
音楽療法士は、音楽の力を活用し、子どもの発達促進から高齢者の認知症予防まで、幅広い領域でリハビリテーションを行う専門職。本学の作業療法学科は、リハビリテーション関連学科としては全国でも数少ない、音楽療法士の養成コースを設置しています。作業療法士、音楽療法士のダブルライセンスで、卒業後の活躍の場が広がります。
※音楽療法士コースの履修には履修要件・面接試験があります。
音楽療法士コース カリキュラム
1年次
音楽理論、ソルフェージュ、器楽(鍵盤)
2年次
器楽(弦)、伴奏法
3年次
合唱、アンサンブル、音楽療法各論II
4年次
即興演奏、教育相談(カウンセリング)、音楽療法総合演習
言語聴覚療法学科
全学部共通で学ぶ基礎科目のほか、言語聴覚学の専門科目も学びます。人体の構造や機能などを学ぶ医学系科目も充実。
【解剖生理学Ⅰ・Ⅱ】
骨、筋肉、心臓から、言語聴覚士の専門領域である脳、呼吸や消化、聴覚まで人体の構造と機能を理解します。
【音声学】
コミュニケーション障害の臨床と研究に不可欠な音声学。音声の生成の仕組みや特徴、記述の方法を学びます。
コミュニケーションでの入力〜出力の役割を持つ「みみ、はな、のど」についてなど、専門科目が多くなります。
【聴覚障害学演習】
耳鼻咽喉科学は言語聴覚士の業務に直結する臨床科目。病理、臨床に重点をおき、疾患学、診断治療学を学びます。
【言語発達障害学Ⅰ】
言語発達の遅れが生じる障害について、基本的な項目を習得。自閉症スペクトラム障害など関連する障害についても理解します。
高次脳機能障害など、より高度な専門分野を学ぶ科目が中心。検査や評価など、実際の現場で必要な技能を演習で学びます。
【発声発語障害学演習Ⅰ・Ⅱ】
声がかすれる、出にくいなどの音声障害、口腔・中咽頭がんに伴う器質性構音障害などの評価法や治療法を学びます。
【言語聴覚学総論】
さまざまな臨床現場を再現し、制限時間内で課題に取り組む実技テストOSCE(オスキー:客観的臨床能力試験)を実施。自分の臨床能力を客観的に把握したうえで、学外での実習に備えます。
学外施設での8週間の臨床実習がスタート。臨床実習指導者のもとで言語聴覚士の業務を体験します。
【総合実習】
経験豊富な言語聴覚士の指導を受けながら、実際の患者さんの評価や訓練を実践。チーム医療を実際のケースに沿って体験します。
【国家試験対策講義】
20年以上にわたる指導から築いた国家試験サポートは、安定した国家試験合格率を支えている本学科ならではの強みです。教員が過去問題を分析し、導き出された出題傾向をもとに、国家試験対策の補正授業を実施。その総時間は、140時間にも及びます。さらに、国家試験を想定した模擬試験も定期的に実施。試験本番に慣れるための対策にも力を入れています。
多職種連携教育や充実した施設など、さまざまな角度から学べる環境を用意。めざすのは、資格取得にとどまらず、将来、確実に活躍できるリハビリテーションの専門職です。
医療系総合大学ならではの
多職種連携教育
「多職種連携入門(1年次)」や「多職種連携論(3年次)」など、学部学科を越えたグループワーク演習等を通し、多職種連携の役割や各専門職の職域など、実際の現場で求められる能力を学ぶ環境が充実。また、薬学部や心理科学部など、他学部の教員による授業で専門知識を広げることもできます。
幅広い専門領域をカバーする
学部の専任教育
リハビリテーションの幅広い領域をカバーする専任教員が、学生の希望領域にあわせた指導を行います。また、医師や歯科医師など、さまざまな専門職の指導も受けられるなど、進路の可能性が広がります。
実習施設としても利用する附属施設
北海道医療大学病院や地域包括ケアセンターなどの附属施設や札幌市内の提携病院があるため、見学実習など現場を見る機会が多く、教科書だけではない体験を通した学びの機会が豊富。知識が定着しやすくモチベーションの維持にもつながります。また、附属病院のリハビリテーション室や言語聴覚治療室では、学部の専任教員が診療を行っており、実際の現場の事例や最先端の知識を教育に反映させています。
実際の現場の様なハイレべルな施設・設備
日頃の学びの場である各実習室には、実際の現場で使用されている最先端な機器やシステムを導入。医療系総合大学ならではの高度な環境で繰り返しトレーニングを行うことで、自信を持って学外実習に臨むことができます。
地域とのつながり
地域社会での介護予防を実践的に学ぶ授業や、支援を必要としている方々の話を聞く授業など、地域住民と触れ合う機会が豊富。また、学内演習の模擬患者として地域住民が参加してくれるなど、さまざまな場面での協力は、培ってきた地域とのつながりがあってこそ。学生の時から地域住民の生活課題を、身近に感じることができます。
少人数制ゼミの手厚い指導
興味のある分野を選択し、研究活動を行う3年次からのゼミナールは10名前後の少人数制。一人ひとりの個別性を重視した手厚い指導を行っています。授業や実習についての情報共有から国家試験対策まで、ゼミ生同士が連携して学びを深めるため、国家試験では高い新卒合格率を維持しています。
大学院を設置
卒業後、より高度な学びや研究ができる大学院も設置。大学在学中は、大学院生による教育サポートも実施しています。