作業療法学科
新型コロナウイルスの感染防止のために、外出や人との接触などさまざまな行動が制限されるようになりました。その時に感じる気持ちは、病気や障害を抱えてしまっている人に生じている、不自由さやバリヤにさいなまれている心境に近いと推察されます。 作業療法の世界では、日常生活や家事、仕事、余暇活動などにまつわることすべてを「作業」といいます。人間は作業的存在であり、その人らしく生きることの中心には、その人に特有な価値や意味を持つ作業があると考えられています。行為・行動が制限され、大切な作業が思うようにできないことは、無力感につながり、大きなストレスを伴うことから、健康状態の悪化につながることがよく知られています。改善のためのキーポイントは、意味や価値のある作業が遂行できた実感が、内面に生じる「自信」となっていくことです。
教授
鎌田 樹寛かまだ たつひろ
病気になって体や心が思うように動かなくなると、活動の楽しみが激減します。そのような人々が、再び活動を楽しむにはどうしたらよいのでしょうか。その前に、そもそも活動の楽しさとは何なのでしょうか。本講義では、最近明らかになった活動の楽しさや、楽しさの効果について、実例を通してみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
本家 寿洋ほんけ としひろ
はじめに、一人一人にとって興味があること、してみたいことを振り返ります。次に、興味があることやしてみたいことが上手く行えているか、行えていないのか考えてみます。最後に、興味があることやしてみたいことの大切さを具体化することで、日常生活を丁寧に過ごすことを再認識する機会としたいと考えています。
講師
浅野 葉子あさの ようこ
作業療法士はさまざまな疾患や障害を抱えている方が、安心して生活できるように病院や施設以外でも働いています。それはどのような仕事なのでしょうか?この講義では、「訪問リハビリテーション」という仕事について紹介しながら、生活を支援する作業療法士の仕事についてお伝えします。また、障害者の方が地域で生活する際に抱える困り事にも触れ、誰もが住みやすい社会とは何かについても考えていきたいと思います。
朝日 まどかあさひ まどか
近頃「音楽療法」という言葉をよく耳にしますが、一体「音楽療法」ってどんなものでしょうか?定義するのが難しく、それでいて魅力的な響きのある「音楽療法」の探検の旅をしましょう。
近藤 里美こんどう さとみ
皆さんは“精神障害”という言葉を聞いたことがありますか。比較的若い年代で発症する病気なのですが、あまり多くを知られていないようです。今までの精神障害は、身体障害や知的障害と比べると助成の対象外であるなど、同じ“障害”でも扱いが異なっていました。ですが近年、他の障害と同じように様々な福祉施策の対象となってきています。精神障害を通して不平等や働くことについて学んでみませんか。
浅野 雅子あさの まさこ
日本における10代から30代の若者の死因第1位が「自殺」であることをご存知ですか?国際的には、15~34歳の死因第1位が自殺となっている国は、G7の中で日本だけです。自殺の原因には、学校問題、勤務問題、家庭問題など様々ありますが、自殺者の多くは何らかの精神疾患を抱えていることがわかっています。つまり、精神疾患の発症予防が自殺予防にもつながります。この深刻な問題を皆さんと一緒に考えることができれば幸いです。
児玉 壮志こだま そうし
生活不活発病とは「動かない」状態が続くことにより、心と体の機能が低下して「動けなくなる」ことを言います。特に高齢者や持病のある方は「生活不活発病」を起こしやすいと言われています。身近な生活の中で「生活不活発病」を予防できる方法は運動や栄養のコントロールなど様々ですが、作業活動という新たな視点から、日々の作業バランスを考えてみませんか。そこには今まで気づかなかった新たな発見があるかもしれません。
坂上 哲可さかうえ てつよし
ヒトの脳では色々な情報を処理しているのは、ご存じの通りかと思います。視覚情報もそのうちの一つですが、ひとくちに視覚情報といっても様々な情報があり、脳での情報の使われ方も様々です。臨床の作業療法場面でお会いする患者さんの中にも、モノの見え方の障害(単純に「見えない」とは少し違います)をお持ちの方もおり、日常生活が困難になっているケースもあります。急性期から回復期にかけての臨床経験を踏まえ、作業療法と脳での情報処理、そして日常生活との関連についてお話しさせて頂きます。
桜庭 聡さくらば さとし
運動の協調性の低さは、子供から大人になっても続くといわれており、歩行、整容、書字や細かい手作業など、日常生活や学業・職業上の大きな困難となります。また、運動の協調性の低下によって心理的・社会的問題に発展する可能性もあり、早期の対策が重要と言われております。協調的な運動の苦手さには脳機能の問題が影響しているのですが、ただ単に「運動音痴」「本人の努力不足」と言われ、その問題に気づかれないことがあります。運動の協調性の低さと日常生活上の困難、作業療法とのかかわりについて考えることができればと思います。
助教
吉田彩華よしだ あやか
集合時間
1年生(4年生)
2年生(5年生)
3年生(6年生)
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合計