看護学科
日本は2人に1人が一生のうちに一度はがんになるという時代に突入し、2006年にがん対策基本法が制定されました。それを受け、各自治体においては医療・保険・福祉の分野が連携し、がんの予防、がん治療の研究とともに、「がんになっても安心して暮らせる社会」を目指した取り組みがなされてきています。しかし、一般社会におけるがん=死のイメージは根強く、がんを経験した人が偏見や気兼ねを感じる出来事がしばしば起きています。将来、皆さんや身近な人が病気になっても自分らしく生き続けられる社会にするために、それぞれが今できることは何か、共に考えてみましょう。
准教授
熊谷 歌織くまがい かおり
皆さんは、ナース・プラクティショナー(NP)という看護師について、聞いたことがありますか? 世界各国には、処方権(お薬を処方する資格)を持つ看護師がおり、多くの地域医療を支えています。NPは、看護師のキャリアアップ・コースの一つで、大学院の修士課程を修了しなければ得られない資格です。高度な知識とスキルをもつNPは、医学的評価と生活の質、両方の観点を統合し、患者に必要な医療を判断してタイムリーに提供します。残念ながら、日本ではまだ処方権は医師のみが持つ権限となっており、国家資格として海外のNPと同等の権限を持つ看護師は誕生していませんが、その準備は着々と進んでいます。北海道医療大学では、国の制度化に先駆け、NPの養成コースを大学院に開設しています。この講義では、将来看護師を目指す方に、ぜひ、看護師の未来像を知って頂きたいと思います。
講師
石角 鈴華いしずみ れいか
福祉マネジメント学科
当事者研究という精神保健福祉分野の新しいパラダイムについて解説します。当事者研究にはいろいろな可能性が含まれていますが、ソーシャルワークの教育に必要な自分を観察するということのための道具として活かせることや今の時代に求められる対話をする力も養えること、またこの実践をつづけることにり、お互いに対し寛容になり、今世界で起こっている人間の闘争を減少させる糸口にもなるのではないかというお話をしたいと思います。
奥田 かおりおくだ かおり
臨床心理学科
「あなたはおっちょこちょいですか?」という質問に、あなたはどう答えますか?実はある意味では「はい」も「いいえ」も不正解なのです。なぜなら、「おっちょこちょい」というのは「辛さ」と同じように度合いで考えるからです。つまり誰もが「おっちょこちょい」で、その度合いが人によって違う、あるいは状況や状態によってそうなってしまうということです。この講座では、誰にでもある「おっちょこちょい」について心理学的に考え、その対策を学んでいきます。さらにメンタルヘルスの改善や悪化との関連についても紹介していきます。きっと皆さんの学生生活にも役立つはずです。
金澤 潤一郎かなざわ じゅんいちろう
やる気が出ない自分を変えたい、みんなで協力し合うにはどうしたらいい?やめたいけどやめられない……こんな心にまつわるお悩みを誰しも抱えたことがあるのではないでしょうか。でも実は、このようなお悩みは「こころ」の存在を仮定しない方が上手く解決できるかもしれません。このような立場をとる人は心理学の中でもとても珍しいのですが、「行動分析学」という学問ではこのような観点から、行動の問題に取り組んでおり、発達障害のあるお子さんへの療育においても応用行動分析学として一定の成果を上げています。普通の心理学とは一味違う行動分析学を一緒に学んでみませんか?
福田 実奈ふくだ みな
作業療法学科
新型コロナウイルスの感染防止のために、外出や人との接触などさまざまな行動が制限されるようになりました。その時に感じる気持ちは、病気や障害を抱えてしまっている人に生じている、不自由さやバリヤにさいなまれている心境に近いと推察されます。 作業療法の視点や観点では、日常生活や家事、仕事、余暇活動などにまつわることすべてを「作業(Occupation)」といいます。人間は作業的存在であり、“自分らしく生きること”の中心には、その人に特有な価値や意味を持つ作業があると考えられています。大切な作業が思うようにできないことは、無力感につながり、大きなストレスを伴うことから、健康状態の悪化につながることがよく知られています。改善のためのキーポイントは、再び意味や価値のある作業が遂行できた実感が、内面に生じる「自信」へとつながっていくことです。
教授
鎌田 樹寛かまだ たつひろ
全学教育推進センター
アフリカには54の国があり、約12億の人々が生活していますが、その多くの地域が、貧困や病気、紛争や難民など多くの問題を抱えています。21世紀になりMDGsやSDGsの取組みにより大きな改善がみられますが、世界との格差はまだまだ大きいのが現状です。そうした中、アフリカへの援助のあり方を問い直す議論が起きています。先進国が行ってきたトップダウン的な援助が失敗をくり返してきたことに対する批判と反省から、地域の当事者を主体にしたボトムアップ型の援助の方法が広がりつつあります。遠い国の誰かを援助するとはどういうことなのか? どういう援助をすべきなのか? アフリカの事例を題材にして国際援助についてみなさんと一緒に考えてみましょう。
花渕 馨也はなぶち けいや
集合時間
1年生(4年生)
2年生(5年生)
3年生(6年生)
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合計